国民をバカにし過ぎている安倍の所信表明演説①「憲法観がまるでデタラメ」

●〔憲法は日本人の精神に悪い影響を与えている!?〕

先だって10月8日に、小沢一郎(事務所)が、ツイッターで、次のようにつぶやきました。

安倍総理が、また憲法改正を言い始めている。憲法は日本人の精神に悪い影響を与えているのだそうな。お友達と一緒に戦前思想を復活させるつもりだろうか。そもそも憲法を全く理解していない自分の政権が、今この国の「精神」にどれほど悪い影響を与えているか、冷静に考えてみたことはあるのだろうか。

17:56 _2018年10月8日

改憲が悲願である安倍は、「憲法は日本人の精神に悪い影響を与えている」などとのたまったようですが、これを見た私は、「またか」と呆れました。その理由は次のとおりです。

そのような極論をのたまうのはそもそも、安倍と安倍を支持する極めて一部の人間だけでしょう。にもかかわらず安倍は、それがいかにも日本国民の総意であるかのような言い方をしているからなのです。これはまさに見え透いた誇大妄想で国民を欺こうとする、国民をバカにした発言だといえます。

そればかりではありません。そもそも〝日本人の精神に悪い影響を与えている〟のは誰なのか。なんといっても6年間も暴政のかぎりを尽くしてきた安倍本人でしょう。にもかかわらず安倍の発言は、まるで自分の悪行はまったく存在していないかのごとく棚上げしているわけです。これなども、どこまで国民をバカにしているのかという話なのです。

安倍のこの発言が、もしそれらの欺瞞を承知のうえで発せられているのだとしたならば、安倍はまさに最大のペテン師です。反対に、それらの欺瞞に自分でも気づかずに本気でそう思って発しているのだとしたならば、安倍はまさに大病人だといえるでしょう。いずれにしてもそのような安倍が6年間も国のトップを続けられている現在の日本に驚きと絶望を禁じえません。

●〔国の理想を語るものは憲法です!?〕

しかもさらに酷いのは、今年10月24日に行なわれた臨時国会での、安倍の所信表明演説です。演説のなかで安倍は早速、改憲について触れてきたのですが、その冒頭で飛び出したセリフがなんと、「国の理想を語るものは憲法です」だったのです。安倍はまえからこのセリフを垂れていて、最初の発言はおそらく2014年2月3日の衆院予算委員会だったと思いますが、このとき安倍は次のように述べています。「国家権力を縛るものだという考え方はありますが、しかし、それはかつて王権が絶対権力をもっていた時代の主流的な考え方であって、今まさに憲法というのは、日本という国の形、そして理想と未来を語るものではないか」。

この発言でも明らかですし、これまでの暴政にも表れているとおり、独裁を志向している安倍は、現憲法の根幹となっている「国家権力を縛る」という「立憲主義」の考え方を否定したくてたまらないのです。だから安倍はそうやって、自分に都合のいいデタラメな憲法観を吹聴して回っているわけなのです。

王権時代 に対する画像結果

安倍の憲法観がデタラメだといえる理由は単純明快です。絶対王権時代であれ、近代であれ、国を統治する権力者というのは必ずや暴走します。ゆえに、暴走を防ぐ(権力者に守らせる)ための規定を設けたものが憲法であり、それが憲法の基本的な考え方だからです。とくに現代ほどどの国もそうした考え方をもっているわけです。当然、日本もそうした考えに基づいて、「基本的人権尊重」「国民主権」「平和主義」が基本にあり、さらに「三権分立」「二院制」「代議制」「法の支配」といったものを定めているわけです。これらはまさに権力者が過去に暴走してきた歴史に鑑みて、非常に緻密に練られたうえで制定されたものであるわけなのです。憲法学者らの見解もほとんどそれで一致しています。

その意味でも「絶対権力をもっていた時代の主流的な考え方だ」とのたまう安倍の妄想こそまさに時代遅れなのです。実際、安倍のいうとおりに「権力者を縛る」ための規定を抑えて、「国の理想を語る」ことを主とした憲法にしたらどうなるでしょうか。それこそまさに、国民の自由は極度に制限されてしまい、権力者の理想どおりに戦争も軽易に始められるような憲法になってしまうはずです。実際、自民党の「改憲草案」をみてもわかるとおり、安倍は現にそういう憲法をつくろうとしているのです。そうなったら安倍ののたまう「国の未来を語る」どころか、まさに戦前に逆戻りです。

その意味でも、安倍の発言は、人間(権力をもった者)の怖さや憲法の意味をまったく理解していない、まさにトンデモ発言であることがわかるわけです。そのためか、安倍がそう発言した直後、「違う、なに言ってんだよ!」「勉強し直せ!」といった怒号が、議場内を飛び交いました。これは当然の反応であり、まさに安倍の卑怯・下劣・厚顔無恥ぶりがあらためて露呈された一幕だったといえます。

それから、もう一つ特筆すべきことがあります。それは、安倍が「国の理想を語るものは憲法です」などとのたまってくること自体、そもそも国民をバカにしている証左だということです。「バカな国民だからそう言えば騙せるだろう」という腹積もりだからこそ、そういうトンデモ発言を平然と行なえるわけなのです。以前のブログでも述べたとおり、そもそも安倍の政治哲学は「国民はバカである」なのですから、それは至極当然なのです。

というわけで以上ですが、次回のブログでも、安倍の所信表明演説における国民をさらにバカにした発言について語りたいと思います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする