国民をバカにし過ぎている安倍の所信表明演説②「嘘と美辞麗句のオンパレード」

●〔嘘と美辞麗句のオンパレード〕

前回のブログで私は、所信表明演説の際に「国の理想を語るものは憲法です」などとトンデモ発言をした安倍は国民をバカにしていると述べました。が、安倍の国民をバカにした発言はそれだけではありません。演説のすべてがそうだったと言っても過言ではないのです。国民をバカにした実行の伴わない(または逆を行なう)いつもの嘘と美辞麗句の羅列をはじめ、自分に都合の悪いことは一切しゃべらないという徹底ぶりだったからなのです。どこまで国民をバカにしたら気がすむのかといえる、まさに戦後最低・最悪の総理の異名をとるにふさわしい安倍の所信表明演説だったわけなのです。

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ゆえに、これには当然、野党だけでなくメディアも一斉に批判しています。安倍の酷さを報じているメディア2社の記事を引用します。ベージュとピンクのマーカーは私が付けました。

社説:首相所信表明演説 具体性を欠き無責任だ

 「今後も、抑止力を維持しながら沖縄の皆さんの心に寄り添い、安倍内閣は基地負担の軽減に一つ一つ結果を出したい」。臨時国会がきのう召集され、安倍晋三首相が所信表明演説を行った。その内容は、首相が述べた冒頭の言葉に象徴されている。説得力が全くない、荒唐無稽な言葉の羅列にしか聞こえなかった。

そもそも安倍首相が常套句(じょうとうく)のように用いる「沖縄の皆さんの心に寄り添う」ことなど過去にあったのか。

9月の沖縄県知事選では、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する玉城デニー氏が与党の推す候補に大差で勝利。「移設反対」の民意が示された。にもかかわらず、辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回した県への対抗措置として、国は行政不服審査法に基づき撤回の効力停止を申し立てた。民意を顧みようとしない安倍首相の「心に寄り添う」発言は沖縄県民を侮辱している。

増大し続ける医療費、年金などの社会保障費の問題は第2次安倍内閣が発足した6年前から大きな課題だった。だが改革は遅々として進まず、実質的に棚上げされたままだ。その反省もなく「3年かけて改革を進める」と新たな課題でもあるかのように語る姿勢は無責任だ。

「国民の皆さまと共に新しい国創りに挑戦する」と言われても、どんな国を創るつもりなのか理解できない。重要政策の推進に強い決意を示すのはいいが、肝心の課題解決への具体性に欠けている。

一方で、最大の懸案の一つである森友・加計(かけ)学園問題については一言も触れなかった。都合の悪いことこそ、自らが率先して解決の道を探る決意を示すべきだ。これでは、安倍内閣に対する国民の不信感を払拭(ふっしょく)するのは難しいだろう。

(後略)

(引用元 : 秋田魁新報社「社説:首相所信表明演説 具体性を欠き無責任だ」2018.10.25)

首相、障害者雇用水増しに触れず 所信表明演説で

共同通信2018年10月24日18時40分

 安倍晋三首相は24日に始まった臨時国会の所信表明演説で、8月に発覚した中央省庁の障害者雇用水増し問題について触れなかった。一連の問題に関して首相の説明がなかったことに、野党や障害者団体からは「国民への謝罪はないのか」と反発の声が上がった。

政府は23日の関係閣僚会議で、問題を巡る再発防止策や雇用確保策をまとめた基本方針を決定。安倍首相は「大変遺憾であり深く反省する必要がある」と述べた。

だが、所信表明演説では年齢、性別、障害などに関わらず誰もが能力を発揮できる「1億総活躍社会」の推進をアピールしながらも、水増し問題については言及しなかった。

(引用元 : 共同通信「首相、障害者雇用水増しに触れず 所信表明演説で」 2018.10.24)

以上のとおりまさに酷いわけですが、念のために、どこがどう酷いのかをいくつか取り上げて解説します。

<まるで話にならない社会保障費問題>

以前のブログ(「沖縄県民葬での安倍の弔辞はやはり口先だけだった! しかもまた民主主義を蹂躙する暴挙だ」)でも述べたとおり、沖縄問題についてもまさに安倍は、自分の発言と真逆のことを行なっているわけです。これも相当酷いわけですが、さらに酷いのは、社会保障費の問題です。うえの記事ではこの問題が「棚上げされたままだ」と書かれているわけですが、安倍は棚上げどころか逆に海外へのバラマキを優先して社会保障費を大きく削っているわけです。これも以前のブログ(「〝反社会的勢力〟の安倍『5年間で社会保障費3兆4500億円カット』」)で述べたとおりです。にもかかわらず、さらに安倍は、うえの記事にもあるとおり、「3年かけて改革を進める」などと、新たな課題であるかのようにのたまっているわけです。こうなるとメディアが言っている「無責任」どころか、完全に国民をバカにしているとしか言いようがなく、まるで話にならないレベルです。

<スローガン「一億総活躍社会」の空疎さを再確認>

それから、「国民の皆さまと共に新しい国創りに挑戦する」といった、具体性のまったくない空疎なスローガンもそうなのですが、特に酷いのが、「1億総活躍社会」のスローガンです。うえの記事には、「所信表明演説では年齢、性別、障害などに関わらず誰もが能力を発揮できる『1億総活躍社会』の推進をアピールしながらも、水増し問題については言及しなかった」と書いてあるわけですが、この部分を実際、安倍は次のように語っているのです。

「子どもから現役世代、お年寄りまで、全ての世代が安心できる社会保障制度へと、今後三年かけて改革を進めます。女性も男性も、若者も高齢者も、障害や難病のある方も、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会を、皆さん、共に、創り上げようではありませんか」

「一億総活躍社会」というスローガンは3年前に発表して以来、これまでに耳にタコができるほど聞かされてきた言葉です。であるならば、そのスローガンを政府自らが大きく裏切った行為だといえる「障害者雇用水増し問題」については、演説のなかで当然言及し、謝罪も行なうべきでしょう。ところが安倍は、うえの発言どおり「障害者」と「一億総活躍社会」をわざわざ並べて発言しておりながら、そのことにはまったく触れなかったわけです。

おそらく安倍は、モリカケ問題にも言及しなかったように、国民が注目する所信表明演説のなかで不正をわざわざぶり返してイメージを落とす必要はないだろうとの理由で言及しなかったのかもしれません。理由はどうであれ、言及しなかったこと自体がそもそもこの不正を軽視している証左なわけです。ゆえに、安倍が「一億総活躍社会」のスローガンだけしか発しなかったことでかえって、このスローガンの空疎さを再確認させるものにしかなりませんでした。

<常に民意の存するところを考察すべし!?>

うえの記事には書かれていませんが、安倍が演説の最後のほうで述べた内容がこれまた酷いものでした。その発言は次のとおりです。

「議会の多数に基盤を得て、力強い政権運営が可能となった。総選挙でも大きな勝利を得て、衆議院の三分の二近い議席を占めるに至りました。強固な政治基盤の上に、高等教育の充実、地方のインフラ整備、安全保障の強化。明治の、その先の時代の国創りを強力に進めるに当たり、原敬はこう語っています。「常に民意の存するところを考察すべし」私もまた、次の三年、国民の皆様と共に新しい国創りに挑戦する。六年前、国民の皆様と共に政権奪還を成し遂げた時の初心、挑戦者としての気迫は、いささかも変わるところはありません。しかし、長さゆえの慢心はないか。そうした国民の皆様の懸念にもしっかりと向き合ってまいります。むしろ、その長さこそが、継続こそが、力である。そう思っていただけるよう、一層、身を引き締めて政権運営に当たる決意であります

うえのとおり安倍は、原敬のことばを引いて、「常に民意の存するところを考察すべし」などとのたまったわけです。が、ここまでくると完全に言葉の暴力であり、国民に喧嘩を売っているとしか言いようがありません。なぜなら「民主主義」そのものを否定し、民主主義のあらゆるシステムを破壊し、民意もことごとく無視してきた張本人はまさに安倍だからです。

この発言だけでも完全に国民を舐めているわけですが、ところがそのあとさらに、安倍は次のように続けているわけです。「長さゆえの慢心はないか。そうした国民の皆様の懸念にもしっかりと向き合ってまいります」「一層、身を引き締めて政権運営に当たる決意であります」。謙虚な政治を行なう気持ちなど露ほどもなく無責任な暴政を繰り返してきておりながら、しかも毎度、耳にタコができるほど聞かされてきたこの真逆のセリフをなんのためらいもなく繰り返し吐いてくる安倍のこの面の厚さ。もうまさに絶句です。

前回のブログでも述べたように、もしこうした戯言が自覚的に発せられているのだとしたならば、安倍はまさに最大のペテン師です。逆に、自分でも無自覚的に発せられているのだとしたならば、これは完全に精神異常者だと言わざるをえません。いずれにしても大病人であることには変わりないと思うのですが、このような男が6年間も国のトップに君臨し続けている現在の日本に驚きと絶望を禁じえません。

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