安倍は今回の総裁選で〝覇者ぶり〟を〝モロ出し〟にしている

●〔安倍が岸田に「(総裁選に)出たら、処遇はできないよ」と露骨に恫喝〕

以前のブログ(「人徳のない『覇道』の安倍よりも、石破に期待」)でも紹介したように、人徳のない安倍は「覇者」です。つまり金と権力にモノを言わせた「覇道」でしか国を治めることができません。実際これまでの政治がそうであったためそれを断言できるのです。が、そのことは今回の自民党総裁選においても同様です。というより今回の総裁選で安倍は、自身の覇者ぶりをモロ出しにしています。そのように言える理由を以下に時系列に述べていきます。

まず、読売新聞の報道によると、2018年6月18日に安倍は、岸田文雄政調会長を会食に呼び出し、「(総裁選に)出たら、処遇はできないよ」と露骨に恫喝したそうです。また、その2日後、今度は安倍と麻生太郎と二階俊博が会食しているなかで、麻生も「負ける候補の推薦人は冷遇されるんだ」などと言い放ったようです。その後、岸田は、総裁選への出馬を断念し、安倍支持に回ったわけですが、これは明らかに安倍と安倍周辺のこうした恫喝の空気がそうさせたといえるでしょう。

以下は、そのことを報じる「読売新聞(2018年7月26日付け)」の記事です。

下に添付した「日刊ゲンダイ(2018年7月26日付け)」の報道は、岸田が安倍から恫喝を受けたことをさらに裏付ける内容になっています。岸田は総裁選を断念するまえに岸田派の若手に「俺が出馬したとして、みんなは干されても本当にいいのか」と言って諭したとあります。

また、岸田への恫喝はそれだけではなかったようです。岸田が総裁選への出馬を断念するのが遅かったからとの理由で、安倍周辺から「今ごろ遅い。人事で干してやる、冷遇してやる」という声が出ていたようです。そのことを石破茂が指摘したうえで、自民党を批判しています。

以下は、そのことを報じる「JIJI.COM(2018年7月31日付け)」の記事です。

 自民党の石破茂元幹事長は31日、大阪市で講演し、9月の総裁選出馬を断念した岸田文雄政調会長に安倍晋三首相サイドから「今ごろ遅い。人事で干してやる、冷遇してやる」などの声が出ていると指摘した上で、「同志に対し、言論を封殺し、威圧をする自民党であるべきではない」と述べた。

(引用元 : JIJI.COM  2018.7.31)

●〔安倍が内閣情報調査室を私物化し、石破の非公式発言を収集〕

続いても驚くような報道です。下に添付した「朝日新聞(2018年7月27日付け)」の報道によると、内閣情報調査室が、総裁選対策として安倍のために、石破の非公式発言まですべて収集しているとのことです。これは、国の機関が安倍個人の利益のために働いていることになるわけですが、そもそも内閣情報調査室はそういうことを勝手には行なわないでしょう。ですからこれは、直接的にせよ間接的にせよ安倍の意向が働いていることは否めません。いずれにしても国の機関の私物化にあたります。

以下は、そのことを報じる「朝日新聞(2018年7月27日付け)」の記事です。

●〔冷遇に対する石破の反応〕

ここまで見てきたように、今回の総裁選は、「私を支持しなかったら冷遇してやる」「反対するところは干してやる」という安倍の恫喝が当初から全面に出ています。そして、それは当然、石破茂や、石破を支持する議員に向けた恫喝でもあるわけです。そのため石破は、総裁選に立候補するまえの地方講演のなかで次のように発言しています。

「総裁選がある。反対するところは徹底的に干してやる。冷遇してやる。なんですかこれは!我々自由民主党は、多様な意見を聞き、そして国会を公正に運営し、そして政府を謙虚にする存在でなければなりません」

この講演の直後の、ジャーナリストと石破とのやり取りは次のとおりです。

ジャーナリスト :「『反対したら冷遇するぞ』そんな声が出る自民党をどう思いますか?」

石破 :「私はこんな自民党であってほしくないです。それって一種のパワハラじゃないですか。反対したら干してやるぞっていう考え方、それを政権政党たる自民党がやったら民主主義っていったいどうなるんですか。少数意見ってどうなるんですか」

ジャーナリスト :「厳しい状況だとしても出ないという選択はないと?」

石破 :「厳しい状況だから止めるっていうんだったら、それは世の中よくはならないでしょう。困難だからこそやらなきゃいけないこと、私は世の中にはあると思っています」

●〔石破との公開討論会から逃げる安倍〕

石破はそもそもこのように安倍政治に大いに疑念を抱いているからこそ今回、総裁選に立候補したわけです。そのキャッチフレーズもまさに安倍政治にもっとも欠けている、「正直、公正、石破茂」を掲げたわけです。また、そうであることからも石破は、安倍との政治姿勢や政策の違いを国民に広く知ってもらうために、当初から安倍に公開討論会を開催するように要求してきました。ところが安倍サイドは、「首相有利なので討論をやっても得がない」だとか「総裁選は党員など限られた人にしか投票権がないから、一般人に届くような討論会をしても仕方ない」などと言って、いまだに討論会に応じようとしていません。

これは明らかに逃げだといえますね。というのも、首相有利であれ、限られた人にしか投票権がないのであれ、実質的に総理を決める国民にとって大変重要な選挙です。その意味でも、いくら限られた人にしか投票権がなくても、二人で討論会を行ない、有権者により明確にふたりの違いをわかってもらう必要があります。実際、過去の総裁選でも討論会を行なってきているわけです。それにもかかわらず安倍は、討論会に応じない理由として「得がない」などという自分勝手な見苦しい言い訳をこじつけてきているからです。

要するに、金と権力で強引に政治を行なうしか能のない覇道の安倍は、論理的な石破と討論すると自身のボロがさらけ出されてしまうので、そのことをそもそも恐れているだけなのです。つまり、石破からただ逃げたいだけであり、討論会に応じない正当な理由がそもそもないのです。だから安倍の討論会に応じない理由は「得がない」などという自分勝手な見苦しい言い訳にならざるをえないわけなのです。

「日刊ゲンダイ(2018年8月18日付け)」の報道をみても、「安倍が石破との討論会を逃げている」と受け取っているようです。下に、その記事の一部を引用します。

 来月の自民党総裁選を巡って、にわかに信じがたい話が永田町を飛び交っている。安倍首相と石破茂元幹事長による事実上の「一騎打ち」と目されるが、安倍首相は論戦拒否の戦術に出ようとしているというのだ。

「石破さんは総裁選に向けて、憲法改正や経済政策、国会運営などについて、安倍首相に政策論争を持ちかけようという戦略です。しかし、安倍首相からマスコミ対策を担当する側近に『なるべく討論する機会をつくらないように』との指示が下りているようなのです」(自民党関係者)

石破氏は16日、派閥会合で総裁選について「いくつかのテーマに分け、候補者同士の討論を絶対にお願いしたい」と公開討論に意欲を見せたが、安倍首相は出馬表明すらしていない。もちろん、石破氏の呼びかけに応じる姿勢も見せていない。

「安倍首相は、お国入りした11日に地元で出馬表明するかもしれないとみられていました。現時点では、夏休み明けの表明という話もありますが、まさか告示日(予定)の来月7日まで出馬表明しないのではないか、という見方まで出ています。出馬を決めると、テレビ局などから石破さんとツーショットでの出演をオファーされる可能性があり、それを避けるために表明を遅らせているのでは。記者の間でも、何でこんなに出馬表明の時期を引っ張っているのか疑問視する声も出ているようです」(前出の自民党関係者)

(中略)

安倍首相が討論を徹底して嫌がるのはなぜなのか。政治評論家の野上忠興氏がこう言う。

「石破さんから論理的にガンガン正論で突っ込まれると反論できなくなるからでしょう。安倍首相は自分の主張を一方的に語るのは得意ですが、議論をしている相手の話を聞いて反論するのは苦手。国会でも自分の言いたいことを押し通していますからね。討論しても、丁々発止の“ラリー”ができないので嫌なのでしょう」

(後略)

(引用元 : 日刊ゲンダイDIGITAL「総裁選で論戦拒否…安倍首相が打って出た『逃げ恥』作戦」 2018年8月18日)

●〔石破のキャッチフレーズに『首相への個人攻撃だ』と難癖をつける〕

石破との討論会を逃げている安倍なわけですが、安倍の自己保身はそれだけではありません。石破が掲げている「正直、公正、石破茂」というキャッチフレーズに対して安倍サイドが、「安倍首相への個人攻撃だ」と難癖までつけてきました。安倍のことを批判されると安倍にとってマイナスになるからなのでしょう。が、よくよく考えてみると、これはおかしな話です。というのも、石破はべつに「安倍は不正直かつ不公平だ」と名指しで安倍を批判しているわけではありません。にもかかわらず安倍サイドは、「安倍への個人攻撃だ」と受けとってしまっているからです。

要するに、安倍サイドは安倍のことを「不正直かつ不公正だ」と内心では認めているのです。だからこそ、安倍への個人攻撃だと受けとり、石破を批判してくるわけなのです。石破本人は、この批判に対してのちに、「突然言い出した言葉ではなく、自分は政治家としてこうありたいという思い。人を批判するものではなく、(キャッチフレーズを)変えることはございません」と述べています。

●〔安倍の強引さは改憲にも表れている〕

石破茂は、2018年8月16日放送のテレビ番組(「深層NEWS」)のなかで、今回の総裁選にかんしての発言をしています。そのなかで、自民党内での改憲の議論の様子についても触れているのですが、それについての石破と司会者とのそのやり取りを要約すると次のとおりです。

自民党内で改憲についての議論を行なった際に、石破は10項目ぐらいの質問をしたようですが、このとき誰も答えられなかったそうです。にもかかわらず、「議論も出尽くしたのでこのへんでいかがでしょうか」ということで議論が終わってしまった。また、それでいて安倍も、今回の総裁選に向けた山口県・下関市での講演(2018.8.12)において、「いつまでも議論だけを続けるわけにはいきません。これまでの活発な党内議論のうえに自民党としての憲法改正案を次の国会に提出できるよう、とりまとめを加速すべきであると考えています」などと語っています。そればかりではありません。安倍は去年の憲法記念日に、憲法9条の1項2項をそのままにしておいて自衛隊を憲法に明記すると述べました。石破いわく、これも党内で一切議論をしておらず安倍の独断であったようです。しかも、自衛隊明記について、「それはどういうことですか」と安倍に国会のなかで質問したところ、安倍は、「新聞に書いてある(読売新聞を読め)」などと発言したとのことです。

以上のように、安倍の姿勢に対して石破は、要は「ありえない。安倍総裁の考えを1度も提示しないまま議論が尽くされたというのはどういうことなのか」と批判しているわけです。が、これを見てもわかるように、国民にとって最も重要な改憲にかんしても安倍はこの強引さなのです。党内でまともな議論すらしていないにもかかわらず、充分に議論したかのように講演会で訴え、強引に改憲にもっていこうとしているわけです。

そのことからも、安倍が石破との公開討論会を逃げている理由の一つもまさにこれだとわかります。改憲に対する安倍のお粗末さからもわかるように、こうした改憲の議論についても安倍が石破にまったく太刀打ちできないであろうことは明白です。それゆえに安倍はいまだに石破との討論会を逃げているというわけなのです。

●〔石破への陰湿な選挙妨害〕

ところで安倍は、8月26日にようやく総裁選への出馬を正式に表明したわけですが、これで石破と一騎打ちとなったためか、安倍は石破に対してはさらに陰湿な選挙妨害まで仕掛けてきているようです。それは大きく三つあるようです。一つめは、石破にとって総裁選活動の頼みの綱である竹下亘総務会長と橘慶一郎副幹事長を、安倍サイドが石破から引き剥がし、沖縄県知事選対応のために沖縄行きを指示したということ。二つめは、地方組織から石破への講演依頼があっても断るように、と党本部に圧力をかけている(実際、石破が講演する予定だった党員集会のキャンセルが相次いでいる)ということ。三つめは、総裁選投票資格のルールを変えて、安倍に投票することがほぼ確実な20歳未満の党員にも投票資格を与えたということです。

以下は、そのことを報じる「日刊ゲンダイ(2018年9月2日付け)」の記事です。

●〔『公平・公正な報道を』とメディアに圧力をかける〕

安倍はこれまでにもメディアにさんざん圧力をかけてきましたが、今回の総裁選でも安倍はまたしてもメディア各社に対して「公平・公正な報道を」という文書を送ったようです。今回、特に嫌らしいのは、石破のメディア露出を減らさせる目的があるのだろう、ということです。これまで見てきように安倍は石破との討論から逃げています。さらに安倍は告示後に外交日程まで入れているのです。つまり、今回の総裁選においての安倍のメディア露出は極端に少ないわけですが、「公平に」ということになれば、石破のメディア露出を、安倍に合わせて減らさざるをえなくなるからです。

バランス名人やじろべえ 秋の木の実を使った工作 どんぐり 松ぼっくり 松かさ クヌギ きり 木工ボンド つまようじ バランス 公園 山歩き やじろべえ 家族で工作 枯れ葉 カッターナイフ ハサミ 色マジック ニス 親子で工作

以下は、今回および過去に安倍が行なってきたメディアへの圧力を報じる「LITERA(2018年8月29日付け)」の記事です。

 一体、何様のつもりだ。なんと、自民党の総裁選管理委員会が昨日、新聞・通信各社に対し、総裁選での「公平・公正な報道」を求める文書を配布したのだ。

言っておくが、総裁選は一党の代表を決める選挙であり、公職選挙法は適用されない。むしろ総裁選報道で懸念されるのは、自民党だけをクローズアップすることが国政選挙の”事前運動”になりかねないことで、現に過去には総裁選のテレビ報道について「野党の動向も報道すべき」「各政党を公平に」という声があがってきた。

だが、今回の自民党が求めた「公平・公正な報道」とは、そうしたことではない。実際、毎日新聞の記事によれば、自民党側は〈テレビ局には個別の出演交渉の際に同趣旨の要請をしている〉〈インタビューを含む記事、写真の掲載面積などについて「必ず各候補者を平等・公平に扱ってくださるようお願いいたします」と求めている〉という。

ようするに、これは安倍首相の対抗馬である石破茂・元幹事長単独のメディア露出を潰すため、新聞・テレビに圧力をかけているのだ。

これまでの安倍首相のメディア出演といえば、読売新聞や産経新聞、日本テレビ、フジテレビといった御用メディアに登場し、鋭い指摘や疑問が投げかけられない状況で自分の主張を一方的に垂れ流してきた。それが今回の総裁選では出馬表明を引っ張り倒し、さらには告示後には外交日程を入れることで公開討論や演説会の回数も減らさせた。すべて石破氏との論戦から逃げるためだ。

●自民党がテレビ・新聞の総裁選報道に不当介入!「公平・公正」圧力

党内の代表選とはいえ、今回の総裁選は実質的に次期総理大臣の座を競う選挙だ。しかも、安倍首相は出馬表明で昨年の総選挙の結果をもち出し、「国民のみなさまの負託に応えていくことは私の責任」と述べた。だが、その総選挙後に森友公文書改ざんや加計学園の「首相案件」文書といった大きな疑惑が出てきたのだ。そうであるかぎり、現職の安倍首相は国民の疑問に答え、対抗馬の石破氏と討論して方針を説明する義務がある。

にもかかわらず、そうした場をもつことなく党内の会合にばかり出席し、国民に向かっては「新たな国づくりを進めていく」などという中身のない薄っぺらな出馬表明しかしていない。そればかりか、立候補者として安倍首相の政策を批判する石破氏を口封じしようと言うのだから、恥知らずにも程がある。

そもそもこの総裁選では、約6年にわたる安倍首相の政権運営や政策などについてあらためて広く検証される必要があるのは当然の話だが、この調子だと、そうした当たり前の検証さえ「石破氏を利する報道だ」などと不当な横やりを入れてくる可能性は高いだろう。

しかも、最大の問題は、メディアに圧力をかけて石破氏が主張する場を潰そうという、そのやり口だ。

ご存じの通り、安倍首相は2014年の総選挙前に出演した『NEWS23』(TBS)での街頭インタビューに対して「厳しい意見を意図的に選んでいる」と陰謀論まがいの主張をまくし立て、その2日後、在京テレビキー局の編成局長、報道局長宛てに〈公平中立、公正な報道〉を要求する文書を送りつけた。「自民党に批判的な報道をするな」と圧力をかけたのだ。

実際、この脅しは効果てきめんで、その後、選挙以外でも安倍政権に対する批判はどんどんと影を潜めていった。こうした状況に、国連特別報告者であるデイヴィッド・ケイ氏(米・カリフォルニア大学教授)は「政府による『中立性』と『公平性』への絶え間ない圧力が、高いレベルの自己検閲を生み出しているように見えます」(「国際連合広報センター」ウェブサイト2016年4月19日付より)と警鐘を鳴らしている。

●6年も政権に居座り続け、一切の批判も検証も許さない安倍首相の異常

そして今回、公職選挙法も適用されない党代表選挙で、相手候補の露出を抑え込むために、放送法があるテレビだけではなく新聞にまで、なんの根拠もない不当な圧力をかけた。──もしこれでメディア側が露出しない安倍首相に合わせるかたちで石破氏の主張を取り上げないようなことになれば、約6年にも及ぶ安倍政権に対する批判や検証が一切封じ込められることになりかねない。

それは、安倍首相が3選を果たした場合の近い将来を先取りするものだ。すでに安倍陣営は石破氏に対し支持者を含めて「党内で干す」ことをちらつかせているが、社会の公器であるメディアを恫喝によって言いなりにする選挙となれば、今後、安倍首相に楯突いて総裁選に出馬しようという議員はいなくなるだろう。このままでは3選どころか、安倍首相の体力が尽きるまで総裁の座に居座りつづけることになってもおかしくはない。

さらに、こうやってメディアに圧力をかけ、批判的な報道を封じたかたちで、憲法改正の国民投票を迎えることは容易に想像できる。

権力を笠に着て、自分の欲望のためにはどんな汚い手でも平気で繰り出す安倍首相。こんな人物を総理大臣にのさばらせていていいわけがないだろう。
(編集部)

(引用元 : LITERA 「総裁選めぐり自民党がマスコミにまた圧力文書!『安倍と石破を同じ分量で出せ』と迫り、石破の露出を潰す卑怯作戦」 2018.8.29)

●〔石破派の殲滅を狙っている安倍〕

以前から反目することの多い石破と安倍ですが、安倍は今回の総裁選でどうやら石破派の殲滅を狙っているようです。8月7日の自民党役員会で安倍は、「(総裁選が)終わったらみんなで挙党一致体制を作っていく。(報復人事は)一切ない」などと述べたようですが、それもまさにいつものように口先だけでしょう。これまで見てきたように石破潰しにかける安倍の執念の数々をみると、まさに殲滅を狙っているとしか思えません。

下の「デイリー新潮(2018年8月29日付け)」の記事には、安倍が石破を恨んでいて、またそれゆえ今回の総裁選で安倍が石破派の殲滅を狙っている、ということが書かれています。

 事実上の国のトップを決める自民党の総裁選は、9月7日告示、20日投開票の日程で行われる。3選を目指す安倍晋三総理(63)は、「(総裁選が)終わったらみんなで挙党一致体制を作っていく。(報復人事は)一切ない」(今月7日の自民党役員会)と、“試合が終わればノーサイド”との表明だが、その本心は……。

***

今回、安倍総理の「敵」となる石破茂元幹事長(61)について、“激しい恨みを持っています”と、その心中を代弁するのは、総理に近い自民党議員である。

曰く、“石破さんには3度裏切られた”。1993年に自民党が下野した際に、石破氏が離党し、翌年、新進党に加わったのが1度目。第一次安倍政権時に参院選で惨敗を喫し、窮地に陥った安倍総理を公に批判したのが2度目。そして一昨年の内閣改造で、石破氏が入閣を断ったのが3度目だという。

「だから報復人事は一切ないなんてあり得ない。今回の総裁選で石破さんを徹底的に潰すつもりですよ」

石破氏に複雑な感情を抱く“親分”に追随するように、“子分”たちも石破氏を口撃。例えば菅義偉官房長官は、

「オフレコで、『裏切り者がどうなるか見ていてほしい』と豪語している。石破さんが提唱する防災省の創設についても、『何年に1回の大災害に備える役所を作って、何もない時はそこの役人は何をしているの?』と腐しています」(大手メディアの政治部デスク)

そして官邸関係者は、安倍陣営の狙いをこう総括する。

「安倍総理は近しい議員やスタッフに、『(総裁選に勝って)石破さんと彼を支持した人たちを干す』と胸の内を明かしています。目的は単に勝つことではなく石破派の殲滅で、今後、二度と彼が総裁選に立てないようにするべく、完膚なきまでに叩くことです」

対する石破陣営は直接討論を重ね巻き返しを図ろうとしているが、総理はその策に乗ろうとしない。怨念や嫉妬が渦巻く政治の世界。8月30日発売の週刊新潮では、さらなるオフレコ発言と共に、総裁選の裏側を詳しく報じる。

「週刊新潮」2018年9月6日号 掲載

(引用元 : デイリー新潮「石破さんと彼を支持した人たちを干す――総裁選で“殲滅”狙う『安倍総理』のオフレコ発言」 2018.8.29)

●〔安倍の出身派閥である細田派が所属議員に首相支持の誓約書を書かせる〕

9月1日付けの読売新聞の報道で、またしても驚くような情報が舞い込んできました。安倍の出身派閥である細田派が、所属議員に対して、首相支持の誓約書を書かせるというのです。これは安倍本人の指示なのかどうかはわかりません。が、おそらく造反を恐れての対策なのでしょう。それにしてもうえに挙げた石破への選挙妨害にせよ、誓約書にせよ、権力維持のためなら手段を選ばない安倍サイドの鉄面皮ぶりにはあらためて驚きです。

以下は、誓約書の件を報じる「読売新聞(2018年9月1日付け)」の記事です。

 安倍首相(自民党総裁)の出身派閥で党内最大の細田派(94人)は、所属議員に、9月の党総裁選で連続3選を目指す首相を支持する誓約書に署名させることを決めた。3日発足の合同選挙対策本部に提出する。首相の出身派閥が所属議員から誓約書を取るのは極めて異例。

誓約書には、「全力を尽くして応援するとともに、必ず支持することを誓約する」などと書かれているが、派内からは、「うちの派で造反議員がいると思っているのか」(中堅)などと反発する声が上がっている。

首相支持の麻生派、二階派はすでに所属議員の署名付きの推薦状を作成していた。細田派幹部は「他派閥と足並みをそろえる必要がある」と説明している。

(引用元 : 読売新聞「細田派が首相支持の誓約書、派内から反発の声も」 2018.9.1)

●〔3選の大勝はモリカケ疑惑を払拭する狙いもある〕

以上、今回の総裁選における安倍の覇者ぶりの数々をみてきました。が、ここまでくるとまさに「覇者ぶりモロ出し」という言葉がピッタリだと思います。「干す」「冷遇する」という恫喝に始まり、さらには、石破への選挙妨害や、所属議員に誓約書を書かせることなど、どれもまさに、「そこまでやるのか!」と驚くものばかりです。逆にいうと、これこそまさに安倍の人徳のなさの表れであり、そこまでしないと求心力を保てない安倍の中身のない哀れな実態が浮き彫りになったといえます。

それにしても今回、なぜ安倍がこれほどまでに3選に執念を燃やしているのかというと、その大きな理由の一つにはモリカケ疑惑を払拭したい思惑があると思うのです。というのも、支持動向調査によると、「干すぞ」という恫喝も効いて安倍は議員票ですでに石破に圧勝しているのです。にもかかわらず、安倍は、石破有利といわれている地方票も含め、石破に大差をつけて圧勝したい考えでいると各社が報道しています。それは要するに、そうやって大勝すことによって、「これだけの大きな支持を得たのだから、モリカケ疑惑など小さなことだと周囲は見ている証左だ」と安倍は言いたいのか、もしくは「大勝した総理に対してはモリカケ疑惑を追及しにくい空気になるだろう」と目論んでいるのか、いずれにせよ安倍は大勝することでモリカケ疑惑を払拭したい思いを強くもっているからではないかと思うのです。

シニア 外国人 ヤッター 万歳 バンザイ ひげ 髭 上半身 髭面 白髪 ジャケット 両手 挙げる 白背景 成功 サクセス 解決 決定 解き明かす 達成 決着 嬉しい 喜ぶ 歓喜 叫ぶ 勝利 勝つ 上を向く グレー シャツ 一人 室内 男性 mdjms002

ですから、これで本当に安倍が3選を果たしたとしたら、それこそ大変なことになるでしょう。一つは、安倍の3選後に実際モリカケ疑惑が陰に隠れていってしまう可能性が高いということ。もう一つは、これまでさんざん暴政を繰り返してきた安倍ですが、今回さらに力ずくで3選を果たしたことからも、安倍としてみれば、「苦労してなんとか首相の座を維持できた」という思いがおそらく強いでしょう。ですから、権力を維持すればこっちのものだと言わんばかりに、今後はますますやりたい放題の暴政を行なってくる可能性が高いということです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする