安倍の残虐性・非人間性 ②「西日本豪雨災害対応よりも総裁選・カジノ審議を優先」

私の前回のブログ(「安倍の残虐性・非人間性 ①『ISを刺激し、人質が殺された』」)に引き続き、今回も安倍の残虐性・非人間性について語ります。

安倍の残虐性・非人間性が表れている典型例の二つめとしては、 今年(平成30年)7月に発生した西日本豪雨災害に対する安倍の対応に見ることができます。今回は文章が長くなりますが、以下、時系列に順を追って説明していきます。

●〔大雨発生からの経緯と動き〕

① 西日本が大雨に見舞われたことにより、7月5日に気象庁が、大雨としては異例の緊急会見を開いた。「5日から8日にかけて観測史上を更新する記録的大雨になる」と注意喚起した。

② ①にもかかわらず、その日の午後8時に自民党は、「赤坂自民亭」と称した会合(飲み会)を開催した。メンバーは、安倍をはじめ、岸田政調会長、小野寺防衛大臣、竹下総務会長、川上法務大臣など含む多数が参加(写真A)。しかも参加者のなかの数人が、その模様を写真に収めてツイッターに投稿した(写真B)。

↓写真A

↓写真B

③ 7月6日、気象庁が、「数十年に1度の災害を意味する大雨特別警報の可能性」を示唆。同日、8府県に大雨特別警報を発令(8府県に同時発令は史上初)。および、23府県の計264万人に避難勧告。京都・兵庫・広島で死者3名、行方不明も多数。

④ 7月7日 午前10時、「7月5日からの大雨に関する閣僚会議」に安倍が15分間だけ出席。同日 午前11時49分、安倍が私邸に帰宅。午後は来客もなく過ごす。同日 午後、24府県の計863万人に避難指示・勧告。

⑤7月8日 未明、各地で死者51名、行方不明76名。ここでようやく「非常災害対策本部」を設置し、同日の午前9時2分から20分間、安倍が同会議に出席し、「救命救助、避難は時間との戦い」と宣言した。

大まかな経緯は以上ですが、これを見ると7月5日に気象庁が大雨としては異例の緊急会見を開いてから、非常災害対策本部を立ち上げるまでには〝66時間〟が経過していることがわかります。この期間の「首相動静」「気象庁」「被害状況」それぞれの動きについてわかりやすくまとめた表は以下のとおりです。

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●〔災害対応を無視し総裁選に向けた極秘会合を行なう〕

以上をみてもわかるように、今回の西日本豪雨災害に際して安倍は、当初から飲み会に参加したり、非常災害対策本部の設置までに時間がかかっていたりすることなどからも、国民の命を軽視していたのではないかと思います。実際、それを裏付けるような情報や安倍の実際の行動が確認されています。

じつは7月11日から安倍の外遊が予定されていました。非常災害対策本部を立ち上げると安倍が外遊に行けなくなってしまいます(この外遊は自衛隊を軍事パレードに参加させる予定があり安倍お望みのものでした)。そのために、非常災害対策本部を早々とは立ち上げずに様子を見ていたのではないかと当初から噂されていました。真相は定かではありませんが、いずれにせよ重要なことは、その様子見のために引き伸ばしていた時間を穴埋めするためなのかどうかはわかりませんが、7月6日の夜に、安倍が、自身の私利私欲ともいえる総裁選に向けた会合を極秘に行なったに違いない、とマスコミが報道していることなのです。

極秘会合について報じている記事がありますので、以下に全文を引用します。

やはり安倍首相は豪雨災害への対応をあえて無視していた──。その証拠ともいえる新事実が発覚し、ネット上では再び怒りが噴き上がっている。

新事実というのは、24日放送の『news every.』(日本テレビ)が伝えた今月6日の安倍首相の行動だ。首相動静では、この日は公邸で18時49分から規制改革推進会議の大田弘子議長や議長代理のフューチャー会長・金丸恭文氏、梶山弘志規制改革担当相らと会食し、20時4分に終了。安倍首相は公邸泊だった。

だが、同番組によれば、じつはこの日の夜、自民党の無派閥議員が乗った車が公邸に入っていく様子が確認されたという。その上、そこには菅義偉官房長官の車もあり、公邸では「菅長官が自らとりもった、安倍首相と無派閥議員の極秘会合」(番組ナレーションより)がおこなわれたというのだ。無論、この極秘会合の目的は、総裁選3選に向けた、無派閥議員の囲い込みである。

つまり、安倍首相は公邸で災害対応のために公邸に宿泊したのかと思いきや、実際は総裁選に向けた極秘の会合を開くために公邸にとどまっていただけだったのだ。現に、災害対応に当たるならば翌日も公邸に宿泊しているはずだが、翌7日朝は官邸でたった15分だけ関係閣僚会議に出席すると、さっさと私邸に帰っている。

6日といえば、午後から広島県内では土砂崩れがさまざまな場所で発生し、17時10分には福岡県と佐賀県、長崎県に大雨特別警報が発令。気象庁は「これまでに経験したことのないような大雨」「重大な危険が差し迫った異常事態」「土砂崩れや浸水による重大な災害がすでに発生していてもおかしくない状況」と呼びかけていた。その後もこの夜のうちに広島県、岡山県、鳥取県、京都府、兵庫県に大雨特別警報が出ている。

しかも、安倍首相はこうした情報を知らなかったわけではけっしてない。事実、この6日の午後、安倍首相は7・8日に総裁選のための地方行脚として予定していた鹿児島・宮崎県への訪問を〈現地での捜索活動などに悪影響を与えてはいけないと判断〉(時事通信より)して取り止めたことを公表しているのだ。

ようするに、「捜索活動」がおこなわれる深刻な事態であることを理解していながら、自分は公邸で総裁選のための極秘の選挙運動に勤しんでいたのである。

ご存じの通り、この極秘会合の前日にあたる5日夜には、安倍首相は例の「赤坂自民亭」に人気の日本酒・獺祭を持参して参加。西村康稔内閣官房副長官の〈笑笑 いいなあ自民党〉というツイートや、左藤章衆院議員がテレビの取材に答えた「酒飲んでワァー」という台詞が象徴しているように、内輪で和気あいあいと酒盛りに興じていた。

もちろん、安倍首相がわざわざこの宴会に出席したのも、総裁選を睨んでのこと。実際、「週刊ポスト」(小学館)8月3日号では、安倍首相が若手議員に対して「全国どこにでも行くから、演説会や懇親会をセットしてくれ」と売り込んでいたことが暴露されている。

西日本豪雨での死者は200人を超え、1982年の長崎大水害に次ぐ被害が出るという平成で最悪の事態となった。「安倍首相の初動がもっと迅速であれば、救えた命はもっとあったのではないか」という声はずっと起こってきたが、まさか6日夜という特別警報が発令されているなかでも総裁選のことしか考えていなかったとは──。もはやこれは、私利私欲でしか行動しない総理の無責任さがもたらした“人災”だと言うべきだろう。

(引用元 : リテラ「赤坂自民亭だけじゃなかった!安倍首相が豪雨真っ最中6日夜も災害無視し、自民議員と総裁選対策の極秘会合」2018.7.26)

以上ですが、ちなみに、首相動静にも載せずに行なわれたこの極秘会合については、のちに東京新聞の望月衣塑子が記者会見場で、菅官房長官に次のように質問しています。

「菅長官が取り持ったとされる赤坂自民亭の翌日、首相と無派閥議員の会合。この日は救助要請が相次いでいた。なぜこのような時にこの会合を開いたのか」

しかし、これに対して菅は次のように答えています。

「この場は政府の見解を説明する場、あなたの要望にお応えする場ではない」

菅は、痛いところを突かれて答えたくないときには最近ますますこのような調子で返事をはぐらかしてきます。回答する必要がないといったような強弁を不遜な態度で吐き捨ててきます。逆にいうと、そうやってはぐらかしてきたこと自体が、首相動静にも載せずに行なった極秘会合が総裁選目的であった可能性を濃厚に示しているわけなのです。

それにしても最近の菅の態度はますます酷くなってきていますので、菅の記者会見の酷さについてはまた別の機会にブログにまとめたいと思います。

●〔死刑執行前夜に乾杯および親指立てて笑顔の記念撮影〕

話が脱線したので戻りますが、今回の豪雨災害において安倍の残虐性・非人間性が表れている例はまだまだあります。豪雨災害のただ中である7月6日にオウム真理教の教祖と幹部ら7人が一度に死刑執行されたにもかかわらず、その前夜に、例の「赤坂自民亭」と称するにぎやかな会合(飲み会)に安倍が平然と参加していたことがそれです。メンバーのなかには、翌日(7月6日)に死刑執行を会見で報告した上川法務大臣までもがいて、安倍はそうした連中と一緒に満面の笑顔で親指を立てて記念撮影までしています。こうした飲み会については、豪雨のただ中に行なったということもあわせて、「不謹慎だ」「異常だ」「壊れている」と各方面からかなりのバッシングがあったことは言うまでもありません。

●〔死者・行方不明者が増え続けるなかカジノ法案審議強行〕

安倍の残虐性・非人間性が表れている例はもう一つあります。非常災害対策本部を遅れてようやく立ち上げたものの、豪雨災害で死者・行方不明者が増え続けているなか、災害対応には集中せずに、「カジノ法案」の審議や、さらには自民党の党利党略と言われている「参院6増法案」の審議を強行したことです。東日本大震災のときの民主党政権は、一切の審議を打ち切って災害対応に集中したと言いますから、このことだけをとって見ても、安倍がいかに残虐的かつ非人間的であるかがわかります。

というわけで、安倍の残虐性・非人間性が表れている例については以上です。が、最後に2~3補足しておきます。うえに箇条書きした経緯のなかで、「⑤ 7月8日 未明、各地で死者51名、行方不明76名。ここでようやく非常災害対策本部を設置し、同日の午前9時2分から20分間、安倍が同会議に出席し、「救命救助、避難は時間との戦い」と宣言した」とあります。が、まず一つは、安倍がそれを宣言したときの表情についてです。7月6日夜の極秘会合による二日酔いのせいなのか、気の抜けたような赤ら顔をしていて、明らかに国のトップとしての自覚のなさが表れています。(下添付写真参照)

それからもう一つ。これまでのブログでも述べてきたように、安倍が残虐的・非人間的だけでなく、さらに「嘘つき」「卑劣」だといえるのは、まさにこの「救命救助、避難は時間との戦い」などという言葉をなんの躊躇もなく吐いてくるところなのです。

うえに見てきた経緯からもわかるとおり、この言葉は明らかにウソであり、言っていることとやっていることがまったくのアベコベです。しかも、私のまえのブログ(「安倍の〝言行不一致〟は、安倍自身が一番わかっている」)でも述べたとおり、安倍の口をついて出てくるそういった美辞麗句やスローガンの類はほとんどすべて言行不一致だといっても過言ではありません。現実がそうなっていないということを自身が一番わかっており、また、それをごまかす(国民を欺く)ために逆のことを言ってくるからそうやってアベコベになるわけなのです。

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