総裁選に先立って知っておきたい安倍の残虐性・非人間性・執念深さ・卑劣さ

私は政治を考えるに際していろいろな評論家や学者の意見を参考にしています。が、中でも本質的なところをわかりやすく解説してくれる古賀茂明の意見は特に参考にしています。古賀の洞察は鋭くて、特に安倍の内側に隠れている本音や欺瞞を語らせたら古賀の右に出る者はいないのではないかと思うほどです。

そこで今回は、安倍の性格(残虐性・非人間性・執念深さ・卑劣さ)について語っている古賀茂明と室井佑月の対談の一部を下に引用します。9月に総裁選もあることですので、国民としては最低でもまずこのくらいは知っておきたいものです。

(前略)

室井 安倍首相が「安倍さんはものすごく怖い人なんです」「執念深くて残虐」っておっしゃいましたけど、具体的にはどういうことなんですか?

古賀 残虐性、非人間性、執拗性。これらをすべて持っていて、それが徹底している。「こいつは!」と思ったら、辞めたからそれで終わりじゃないんです。辞めたあとも徹底的にやってくる。たとえば、前川さん(喜平・前文科省事務次官)のように、人格攻撃もやるし、講演にも横槍を入れる。僕も講演は最初はいっぱいあったけど、なくなっちゃった。そういうことをされるのが見えているし、多くの官僚にとってそれは恐怖でしかない。

(中略)

室井 (中略)でも確かに安倍さんはこれまでの首相、権力者の中でも怖いっていうのは実感しているけど。でも安倍さんって、第一次政権のときは残虐性はそんなに感じなかったと思うんです。第二次政権になってからすごく怖くなったと。

古賀 第一次安倍政権では、自分のお腹が痛くなって辞めたわだけど、でも安倍さんはそうは思っていない。「マスコミにやられた」と思っているんです。だから下野時代に「今度政権についたら、まずマスコミを抑える」と執念深く考えていたのでしょう。だから本気で批判してくるメディアやジャーナリストは自分にとって一番危ない“敵”とさえ思っているんです。

室井 だからか。朝日新聞に対する恨みは尋常じゃない。

古賀 そしてマスコミを抑える方法として、ひとつは見せしめ的に目立っていてかつ強いやつをやる。もちろん直接的な圧力では絶対にやらないで、干すんです。『報ステ』の出演者など格好のターゲットでしょう。僕の前にも浜矩子さんが降板した一件があったのですがこれも典型だと思っています。あまり騒ぎにならなかったし、浜さん自身もそういう意識がないかもしれませんが、でも、僕が聞いている話では、テレビ朝日の上層部が官邸を忖度して「報ステなんとかしろ」「浜か古賀、どちらかをあきらめと」という圧力がかかったということです。そう言えば、古舘伊知郎さんはいつも「古賀さんと浜さん、どっちも変え難い人たちなんですよね……」と言ってましたね。

(中略)

古賀 (中略)さきほども安倍さんの特異性は執念深くて残虐なことにあると言いましたが、その最大のあらわれが人事です。内閣人事局ができて官僚人事を官邸が握った弊害が指摘されていますが、しかし実はまったく関係ない。そもそも1年生のペーペー官僚の人事権まで大臣がもっている。でも大臣が全職員の人事を見るなんてできないから、役所が決めた人事が大筋通るんですが、しかし安倍さんは違う。細かいところまで見ているんです。たとえば人事検討会議というのがあり、官房副長官のもと各省から幹部人事をチェックしますが、これまではよほどのことがない限り変更はなかった。しかし安倍さんになってからは違った。内閣人事局ができる前から、好き勝手をやり始めました。一番すごかったのが、内閣法制局長官人事です。歴代長官が、集団的自衛権は憲法違反であると、当然のことを主張していたのですが、安倍さんは、それなら、法制局のトップを代えてしまえと考えたんですね。そこで、解釈改憲で集団的自衛権行使を容認できると言っていた外務官僚の小松一郎氏を抜擢した。安倍さんと仲が良くて「違憲じゃありません」と言ってくれる人を持ってきたんです。慣例では内閣法制局次長の横畠裕介氏が昇格するはずだったんですが、これはかなり異例、というか、官僚たちから見れば、「とんでもない」ことであり、衝撃でした。

室井 集団的自衛権はほとんどの専門家が「違憲」と言ってたのに、それを覆すために、子飼いの官僚を登用したってことか。やっぱり安倍ちゃんは、加計幸太郎理事長だけでなく、自分の意のままになる子分と、お友だちばっかりを優遇しているんだな。

古賀 日本中の官僚も、ほぼ99.9%は集団的自衛権は違憲だと思っていますよ。とくに法律専門の人は東大法学部を出ているわけですけど、東大法学部の教授はみんな、「集団的自衛権は違憲です」と教えている。法制局長官も法律の専門家の中の専門家だから、頑なに「違憲です」と言ってきた。さらにその後、小松さんの体調が悪くなると、今度は横畠さんを登用したんですが、安倍さんの怖さを思い知らされていた横畠さんは、安保法制などで安倍政権の意向に沿った判断を下すようになった。

室井 安倍さんって異常。権力の私物化って言うけど、これまでの首相も私物化しようと思えばできたけど、それは国のためにならないとか、恥ずかしいことだと知っていたわけですよね。独裁は国を滅ぼすって。でも安倍さんにはそうした考えがない。しかも羞恥心もない。自分にとっての勝ち負け、敵味方だけを考えて、そのためにはなんでもやる。平気で嘘をついてね。安倍さんの体には、事実を認めたり、謝罪すると爆発する装置でも埋めこまれてるのかと思うくらい。

古賀 いや彼の発想は、勝つか負けるかなんて甘いものじゃない。自分が生きるか死ぬか。それは、相手を生かすか、殺すかという意味ですよね。自分に歯向かってくるやつは、「自分を殺そうとしている」という発想です。「こいつは放っておくと俺を殺す。それなら先に殺してしまえ」と。

室井 ゲームの「コールオブデューティ」みたい(笑)。戦国時代のお話にも聞こえる。

古賀 まさにそういう感覚だと思いますよ。だから、自分にとって危ない存在だと思ったら徹底的に潰す。

(後略)

(引用元 : リテラ「室井佑月の連載対談『アベを倒したい!』第10回ゲスト 古賀茂明(後編)」 2018.6.26)

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